生姜の発育サイクル
スーパーなどで、一般的に通年見かけるのは、手のひらサイズほどの大きさで販売されている茶色の生姜。
ある時期になると出回る、茶色の生姜とはかけ離れたみずみずしさと白さを持っている新生姜。
地域によっては「葉しょうが」という葉付の生姜が販売されているところもありますね。
白っぽくてみずみずしい新生姜、表面が乾燥した茶色の生姜…同じ生姜なのに、なんであんなに違うの?
そこから解説していきましょう。
スーパーで売られている生姜。なにが違うの?
まずは新生姜。
茶色の生姜に比べ、辛味がまろやかで、みずみずしく、収穫直後の生姜です。数か月後には根生姜という、よくスーパーで売られている、茶色の生姜になります。
次に、囲い生姜。
収穫した生姜を山腹の横穴に埋め、越冬させたものです。次年度の種になります。
そして、親生姜。
種生姜として植え付え、掘り起こしたもの。根生姜、古生姜、ひね生姜とも呼ばれます。
囲い生姜、親生姜は、新生姜に比べ、繊維が多く、辛味が強いんですよ。
新生姜と根生姜は同じ1本の生姜です。
土の上には葉だけ、土の下に新生姜と根生姜があります。
根生姜は、昨年できた新生姜で、今年の種になっていたものです。種だからといって、その役目を終え、廃棄するのではなく、食べることができる立派な生姜です。
生姜の1年のサイクル
生姜の1年のサイクルは、種づくりからスタートです。
○9月〜11月
収穫した新生姜を来年の種生姜にするため、選別をしていきます。
○12月〜3月
種生姜を貯蔵庫で寝かせます。この間に土壌づくりをしていきます。
○4月〜5月
生姜の植え付けをしていきます。
○9月〜11月
収穫します。
では、生姜の1年のサイクルについて、詳しく解説していきましょう!
春は植え付けの時期。まずは種生姜の選別から。
前の年に収穫し、種にしようと保管していた生姜が種となります。冬の間は、生姜保管用に掘った横穴に種生姜を入れ、砂のような土をかけたり、サーモスタット付きの保管庫で管理したり、農家さんによって種生姜の保管方法は異なります。
しかし、どの種生姜の保管方法が一番いい、それでないとダメというわけではなく、生姜農家さんの長年の経験からたどり着いた結果で、千差万別です。
春になり、その種生姜をさらに選別し、発芽させていきます。
立派な芽だけを残し、芽を間引いていきます。
選別した種生姜から芽が出てくると、さらに芽を間引いていきます。1つの種生姜に、1つの芽だけを残し、そのほかの芽はそぎ落としていきます。一番立派に育ってくれそうな、元気な芽だけを残して。
じゃがいもの芽などとは異なり、そぎ落とした芽も生姜味のする、美味しい生姜で食べることができます。これは農家さんだけが食べる、いわゆるまかないのようなものです。
これを分けてもらい、甘酢漬け(ガリ)にしてみたこともあります。
4月下旬から5月ごろに植え付けをします。
植え付けをしてから梅雨時期に入り、暖かいと成長のスピードも速くなります。1ヶ月、2ヶ月ほど経った初夏、種生姜は土から芽を出します。
この頃になると、新しい根茎も形成され、それが新生姜となります。畑では除草、除虫して、雑草対策…毎日手入れをしてやります。
気温が高くなると、根茎の分化が進み、どんどん大きくなります。土から生姜の部分が顔を出してしまうことがあるので、土寄せしながら、成長を支えていきます。
9月〜11月、いよいよ新生姜の収穫です。
ぐんぐんと成長し、収穫前には青々とした生姜の葉や茎の部分は、人間の腰の高さほどに。
立派に伸びた葉や茎を引き抜きます。そのとき、生姜の香りがするんですよ。親生姜は、新生姜の後、鍬で掘り起こして回収します。ちなみにジンジャーダイヤモンドのロゴはこの時の鍬をイメージしています。
収穫した新生姜の茎はその場で3センチほど残して、手作業でカットをしていきます。その後、共同選果場で洗浄、選別を行っていきます。
生姜の1株は数キロ、横幅30センチほどの大きなもの。
立派なサイズの生姜が収穫できます。この大きさが大きいほど、よい生姜です。
ジンジャーダイヤモンドで使っているのは、新生姜ではなく、親生姜や、前年に収穫し、貯蔵しておいた囲い生姜です。今年の生産量が増えても、来年にならなければ使うことができません。
ジンジャーダイヤモンドの生姜製品ができるまでには、生姜ができるまで1年以上の年月がかかってしまい、こちらも生産量を急激に増やすことはできないのです。
美味しい生姜製品をつくるために。
美味しい生姜製品をつくるためには、生産農家さんに美味しい生姜をつくってもらわなければなりません。
国産のどこの、どんな生姜でもよいというわけではなく、こだわって、選び抜いた生姜をジンジャーダイヤモンドは使用しています。
残留農薬ゼロ、国産はもちろん。
もっといい生姜をつくりたいという気持ちを持っている農家さんと一緒に日々、邁進していきたいと思っています。